寝たきり等介護が必要になってしまった被害者の家族の方へ

 重度後遺障害で介護が必要になってしまった場合は,本人はもちろん,ご家族にも,経済的にも,肉体的にも,精神的にも,大変な負担がかかります。

 

 介護が必要になった場合の賠償金額は,保険会社と裁判所とでは,非常に大きな差があります。

 

 とりわけ,介護料についての金額が大きく違ってきます。要介護の程度,年齢,介護保険の利用の有無等によって金額が違ってきますので,一概にはいえませんが,当事務所が扱った事例で,症状固定時満51歳の女性の後遺障害第1級(常時介護)事案で,保険会社提示金額金2496万円に対して,裁判所認定金額は,金6829万円でした。これは,将来の介護料だけです。全体の金額では,保険会社提示金5381万円に対して,裁判所認定金額は金1億5651万円(遅延損害金を含む)でした。

 

 なお,介護が必要になった場合に,忘れてならないのは,独立行政法人自動車事故対策機構NASVAの介護料支給です。自動車事故が原因で,脳,脊髄又は胸腹部臓器を損傷し,重度の後遺障害を持つため,移動,食事及び排泄など日常生活動作について常時又は随時の介護が必要な状態になった場合には,同機構から,介護料が金13万6880円を上限に支給されます。手続等の詳細は,こちらをご覧ください。

 

 同機構から支給される介護料については,損害賠償から控除されることがありませんので,被害者にとっては,非常に有利です。申請手続をしないと受給できませんので,該当する可能性がある場合には,必ず,申請しましょう。同機構には,短期入院費用助成制度もありますので,ぜひ利用してください。