労働事件を未然防止する就業規則

福井に限らず全国では,給料の減額やセクハラ・パワハラなど様々な労働事件の事例があります。
その中には,就業規則を作成・適切に運用していれば防げたかもしれない事例もあります。

 

○就業規則とは

就業規則とは,会社とその会社で働く従業員との間で取り交わされたルールのことです。
必ず記載が必要になる絶対的必要記載事項(労働時間,賃金,退職)と,取り決めがある場合のみ記載の必要がある相対的必要記載事項(退職手当,臨時の賃金・最低賃金額,費用負担,安全衛生,職業訓練災害補償及び業務外の傷病扶助,表彰及び制裁の種類及び程度,その他)について定められています。

常時10人以上の労働者を使用する事業所は作成義務があり,この10人にはパート・アルバイト,非正規雇用社員も含まれます。

 

○法令,労働協約との関係

就業規則は会社と労働者間で遵守義務があるルールですが,就業規則の規定が覆されるケースもあります。その場合とは,就業規則が法令(労働基準法),労働協約の定めに違反・抵触するときです。
例えば,福井は働く女性が大勢いらっしゃることで有名で、「福井モデル」として注目されています。

中には出産のために産前・産後休業を取る方もいらっしゃいますが,労基法では産前産後休業する期間及びその後30日間は解雇してはならないという規定があります。そのため,就業規則で30日の部分を15日としたりすることは認められません。不当解雇はよく争われることがらの1つですが,妊娠出産と解雇が関係して裁判に発展した労働事件もあるため、就業規則作成には慎重な姿勢が求められます。

 

○お互いに把握・了承しておく

就業規則を作成し,労働事件を未然に防止するためには,労使ともに就業規則を了承・把握しておくことが必要です。実際に周知されていたか否かが争点となった裁判事例も少なくありません。
就業規則が効力を有するためには,書面による交付など周知のための措置が取られていることが必要です。

 

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