適切な労働環境を確保するために
労働契約は,我々にとって一番身近な契約の一つです。
しかし,労働者の側から見た場合,現実には,法律的に問題のあることが往々にして受け入れられてしまっています。おそらく,使用者の労務管理が杜撰になっているのでしょう。「サービス残業の強制」「不当解雇」「一方的な給料の減額」など,いずれも法的には認められないものが頻繁に見受けられます。これらの是正を求めることは,労働者の正当な権利です。最近では,権利実現のために労働審判という簡易迅速な手続も利用できますので,泣き寝入りせずに御相談ください。
他方,使用者の立場からすると,労務管理をおろそかにしていると,労働者から解雇無効を前提とした多額の未払賃金請求や損害賠償請求を受けるリスクが増大します。しかも,訴訟においては,これらの請求に遅延損害金が付されることが通常です。このようなリスクは,事前に予防しておくのがベストです。さらに,事業の形態によっては,就業規則を工夫することで,無用な割増賃金の支払いを一定程度抑えることも可能です。労務管理で疑問が生じたときには,お早めに御相談ください。