リーガルリスク・マネジメントと企業法務

近年では企業法務の重要性が高まったこともあり,法務部門を設けている企業様が多くなっています。企業の法務は様々な役割を果たしているものですが,そのひとつがリスクマネジメントです。これはリーガルリスク・マネジメントと呼ばれており,企業活動におけるコンプライアンスの徹底等に役立っています。では,リーガルリスク・マネジメントと企業法務の関係について,さらに踏み込んでみましょう。

 

○不祥事の予防と企業法務

企業活動は何かとリスクが伴います。経営者にとっては一切のリスクを排除したうえで企業活動を行いたいものですが,降りかかるリスクを全て排除することは不可能です。そのため,企業活動におけるリスク管理で最も大切なことは「リスクを最小限に抑えること」です。企業は予防法務的観点からコンプライアンス体制を構築するのですが,これによって法令違反から発生するリスクを最小限に抑えているのです。

 

○不祥事の損失と企業法務

企業は常にリーガルリスクに対する具体的な対応を考えなければなりません。例えば,不幸にして大きな不祥事を発生させたとします。その場合は即座に対応し,刑事責任,民事責任,行政責任のみならず,社会的信用の毀損等を最小限に食い止める必要があります。これを行うためには,リスク発生時の担当部署を定めておき,常に適切な対応ができる体制を整えることが大切です。このような体制の構築は,企業法務の重要な役割の一つです。

 

○不祥事の再発防止と企業法務

企業活動は「信用」が重要なため,不祥事は何としても避けなければなりません。万が一不祥事を起こしてしまった場合には,真摯な対応を心がけ再発防止に努めなければなりません。企業法務は,不祥事における再発防止の役割も持っています。一度不祥事を起こした場合は,これをフィードバックしてコンプライアンス体制を見直し,社員一人ひとりの意識変革を行い,マニュアルやプログラムの改訂等を行わなければなりません。このような不祥事の再発防止策を練ることも企業法務の重要な役割です。

 

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