現在の日本では使用者と労働者がぶつかることも珍しくなく，多くの労働事件が発生しています。福井にある当事務所でも，これまでに多くの使用者・労働者の方の御相談を受けてきました。使用者・労働者どちらも労務に関するお悩みを抱えていると思いますが，ここでは「労働者」の視点に立って労働問題を考えてみましょう。

○労働者を苦しめる不当解雇

使用者による解雇が横行しているようなイメージをお持ちの方いらっしゃるかもしれませんが，法律上，解雇は簡単に行えるものではありません。例えば，リストラ（整理解雇）をする場合にも，「人員整理の必要性」「解雇回避努力義務の履行」「被解雇者選定の合理性」「手続きの妥当性」といった要件又は重要な要素が適法性判断において考慮されます。どれかひとつでも欠けていると「権利の濫用」として，法律上解雇が無効となる可能性が高くなります。

○なぜ泣き寝入りする労働者が多いのか

しかし，正当とはいえない解雇を言い渡され，泣き寝入りする労働者も決して少なくありません。これは，労働者の立場が使用者に比べて弱いために起こります。しかし，解雇権の濫用に該当する場合に解雇が無効となることは上記のとおりです。使用者の立場からすると，適切な労務管理を構築しておかなければ，解雇が無効となるリスクにさらされることになるのです。解雇が無効であれば，労働者は，雇用関係が継続していることを前提に，賃金請求をしていくことができます。

そのため，労働者は使用者からの不当な扱いに対し是正を求めることができます。最近では権利実現のために労働審判という簡易迅速な手続きも利用できますので，泣き寝入りする前に弁護士へ御相談ください。

当事務所は福井県内の労働事件や交通事故紛争、破産・民事再生・私的整理などの御相談を承っております。多くの実績を持つ弁護士が丁寧に対応いたしますので，適切な労働環境を確保したいとお考えの労働者様はお気軽に御相談ください。また，労務管理に関する疑問やお悩みを持つ使用者様からの御相談もお待ちしております。